アメリカの黒人社会の中で生まれて、ほぼ黒人社会の中…

アメリカの黒人社会の中で生まれて、ほぼ黒人社会の中だけで発展してきたブルースが、広く世界に人種を超えて知られるようになったきっかけを作ったのは、イギリスのエレキギターを持った若者たち、といっていいんだろう。

クラプトンであったり、このストーンズであったり、黒人のブルースマンに憧れて、その演奏をコピーするところから始まった音楽は、やがてロックそのものになっていく。

1981年11月の、この小さなクラブでの、マディ・ウォーターズとのライブは、ストーンズ側の希望で急遽決まったものらしい。

シカゴに住んでブルースを歌っていたマディ・ウォーターズと、彼らの音楽に憧れて、世界的なスターになったイギリスの若者たちが、ブルースの故郷のようなクラブで一緒にステージに上がる。

このライブはレジェンドたちのたわむれではなくて、60年代のどこかで誰も知らないうちに大西洋を超えて、島国の若者たちの血肉となったブルースが、ルーツの地に帰って、父のような男と対面を果たすという場面だったのだろうなと。