NSPのデビュー・アルバム(1973/9)に入って…

NSPのデビュー・アルバム(1973/9)に入っている『昨日からの逃げ道』。ヒットどころかシングルカットもされていないから、当時ほぼ誰も知らなかったのだけど、今でも愛されている。

アルバムといっても最初のやつに一度だけ、それもライブ版が収録されただけで、彼らがスタジオできっちり作り込んだこの曲の音源は、おそらく存在もしないのだろう。

なのに、いつまでも愛されていて、NSP自身も、この曲をライブの一発目にもってきたりしていた。

今の時代になって当時中学生くらいだった人が、テイラーという現代の先端みたいなギターで、天野滋のリードを弾く。ベースは平賀和人のうねりながら疾走していく独特のフレーズを、再現という以上にいい感じに弾いている。

いや、かなりかっこいい。

歌詞の情けなさや声の甘さやルックス(笑)でもって、だいぶ変調がかかってしまうのだろうけど、彼らが20歳くらいの頃に志向していた音楽ってこんなのだったろうかと、ギターとベースだけのインストだから、逆にわかるような気も。

これをまともに掘っていくと、ちょうど同じ時代のはっぴいえんどみたいに、そしてまた少しちがう領域で、シャープでソリッドでセンチメンタルな日本語のロックの祖型になっていったのかもしれない。叙情フォークみたいな方向に行ったから、そうはならなかったけど。